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『王、登場!』
ヒストリエ5巻は物語の大きな転換点となっている。
前半、故郷カルディアに帰ってきたエウメネス。
親の墓参り、兄や旧友との再会、(成り行きで)仇討ちを経てマケドニアの首都ペラへ向かう。
後半、マケドニア王フィリッポスの庇護を得て図書館司書に就職する運びとなったエウメネス。
物語を彩る重要な登場人物が登場しつつ、異国の地マケドニアのさまざまな風物が描かれている。
アンティゴノスという偽名を捨てフィリッポス王が正体を現す場面が衝撃的。
ウィキペディアによればアンティゴノスはアレクサンドロス王の腹心の部下であり後継者の一人であり、エウメネスの親友にして彼の死に大きく関わる人物である。
大胆な脚色を加えた第1部がフィリッポス王の出現で終わり記録や通説に沿った話が展開されるかと思いきや、逆に物語のゴール地点がまったく見えなくなってしまったのである!
この場面は5巻の折り返し地点としてだけでなくさらに大胆なフィクションを描くぞという作者:岩明均の決意表明とも読める。
この他にも1話から続くキーワード:ヘビや42話の最後の頁と43話の扉画との対称配置(素晴らしい!)など、伏線や知的な仕掛けを見つけるのが楽しい。
また丹念に描写されるギリシア時代の風俗・文化にも知的好奇心をそそられる。
これだけ褒めながら星を一つ減らしたのは、次の巻の出版がまた数年先の遠い未来であることや作者が死ぬまでに完結できるかどうか不安なためである。